
街中のお家を見ると、ガラスの中に斜めに交差した線が入っているのをよく見かけませんか?
このようなガラスを網入りガラスと呼んだりします。
戸建住宅だけでなく、マンションのバルコニー部分や、窓にも多く使われています。
でも、田舎のお家に行くと網なしの透明なガラスが多いことに気づいた経験はあるでしょうか。
今回は網入りガラスと透明ガラスの違いについてお話しします。
網入りガラスの理由
網入りガラスが用いられる理由は、防火上必要な対策によります。
都会の駅周辺や、商業施設が集まるような場所は建物が隣接しており、特に火災に注意しなければならない地域になります。
どこかで火災が発生すると、隣接する建物に燃え移り、大火事になりかねません。
そこで、そのような地域は【防火地域】と位置付けられ、建物の作り方に厳しい制限があります。
とは言え、基本的に防火地域は商業施設のような高層建築が立ち並ぶ地域ですので、住宅には関係ありません。
(住宅を建てることも出来ますが、地価が高すぎて土地を購入できるかどうかが問題ですね笑)
そのため、住宅に関係するのは、住宅密集地に定められている【準防火地域】というものです。
準防火地域は、住宅が多く集まる地域が多く、交通が便利な市内などは基本的にこれに当たる可能性が高いです。
この準防火地域に当てはまる地域だとどうなるかというと、防火地域と同じく火災に対応できる建物の作り方が求められます。
これにより、窓に網入りガラスが使われています。
網入りガラスは、商品によって差はありますが、飛散防止性能や耐熱性能が一般的なガラスよりも高く、火災に対応しやすい窓ガラスなのです。
ちなみに、田舎のような建物の感覚が広い地域は、防火地域でも準防火地域でもない、【法22条地域】と呼ばれる設計の自由度が高い地域となります。
この地域では、透明ガラスでもなんでも基本的には使うことが出来ます。
どうしても網入りガラスは嫌だという人
「いや、自分は火災の心配よりもデザインや眺望を気にしたいから、透明がいい!」
と思う人も多いと思います。
実は、防火地域、準防火地域でも網入りガラスにしなくても良い方法があります。
それは、あみ無しでも網入りガラスと同じ性能を持った商品があり、それを使うという方法です。
そんな良いものがあるなら、ぜひ使いたい!と思うと思いますが、実はこのようなガラスは、とても高価で、一般的な網入りガラスの3倍程度することが多いです。
家には多くの窓があり、それを全てあみ無しにすると、とんでもなく価格が上がります。
もし、どうしても眺望を気にしたい窓があれば、それだけあみ無しガラスを用いるやり方が良いと思います。
ちなみに、一条工務店さんなどの大手ハウスメーカーでは、あみ無しガラスを独自で開発しているので、準防火地域でもあみ無しガラスでお家を建てることが出来ます。
窓は空間のデザインや居心地に大きく関わるポイントなので、家を建てる前にどのような窓ガラスが設計に使われるか、住宅会社さんにしっかりと確認しておきましょう(*☻-☻*)