間取りが確定すると、キッチンやトイレ、バスなどの住宅設備を選ぶ工程がありますよね。

お客さんはどんなものを選べば良いかわからないと思うので、だいたいの住宅会社はパンフレットを渡してくれると思います。

パンフレットにはメーカー、商品名、商品の説明や特徴、定価などの情報が書いてあると思いますが、

ここで気をつけるべきことは、定価は実際の価格ではないということです!

定価とは何?

定価(ていか)とは、前もってメーカーが定められた価格のことです。

よくCDや本の裏に定価と書いてあるのを見ると思います。

シングルCDが定価1200円(税抜)と書いてあったら、みなさんが購入するときも1200円(税抜)を支払っているはずなので、

定価=購入価格だと思ってしまいこんでいることがあります。

日本では、書籍、雑誌、新聞、音楽、タバコ製品は、再販売価格維持が認められている商品であるため、定価販売が行われているのです。

そのため、再販売価格維持を行っていない商品の定価はあくまでもメーカーが勝手に決めているだけなので、私たちは定価よりも安く購入できるのが一般的です。

なぜ定価よりも安く購入できるのか

これは、流通の仕組みに関係しています。

たとえば、キッチンを例に挙げてみます。

これはパナソニックキッチンパンフレットなのですが、希望小売価格(定価)が215万円(税抜)と書いてあります。

パナソニックキッチン

panasonic キッチン

あくまでも215万円(税抜)はパナソニックの希望というだけで、実際にこのキッチンを取り付けるときにこの価格がかかるかどうかというと、分からないのです。

また、キッチン単体を買ってきても、普通はお客さんは自分で取り付けることができないため、住宅会社が取り付けます。

もちろん取り付けにも費用が掛かるので、キッチンの価格+取り付け料でキッチンの見積もりがお客さんの手元に届いています。

キッチンがお客さんの家につけられるまで

たとえばお客さんが住宅会社(ハウスメーカー・工務店・設計事務所)に家づくりを頼んでいる時、

キッチンがお客さんの家につけられるまでを例に見てみましょう。

製造メーカー → 建材屋さん(+設備屋さん) → 工務店などの工事会社 → お客さん

製造メーカー

実際に商品を作っている会社です。

住宅設備だとパナソニックやリクシル、TOTOなど、窓だとYKKAPやリクシルなどがそれにあたります。

製造メーカーは直接お客さんや工務店に卸していないので、もっと大量に仕入れてくれる商社を一旦通して、工事現場に入ります。

メーカーは商社に定価よりもずっと安い価格で卸しています。

建材屋さん

家づくりのために必要な、住宅設備や外壁材、内装にかかわる壁紙や床材、窓などを大量に仕入れて、工務店に売ってくれる商社です。

大量に仕入れているので、とても安く仕入れることができ、工務店にも安く仕入れてくれています。

先ほどのパナソニックのキッチンだと、建材屋さんが仕入れている正確な価格は分かりませんが、定価の3割程度の価格だと思われます。

例えば、工務店が建材屋さんに○○のキッチンを入れてくださいと頼んだ場合、建材屋さんは商品+設備屋さんといわれる取り付け業者さんを手配して、取り付けが完了するまでを商品として提供してくれます。

そのため、仕入れ価格(卸売り価格)+商社の利益分+取り付け代金がここまででかかります。

工務店などの工事会社

ハウスメーカーや設計事務所に家づくりを頼んだとしても、実際に家を建てる工事をするのは工務店です。

工務店が設計も行っているところは、設計から施工まで工務店が行います。

そのため、どんな住宅会社で設計を依頼しても工事代金は基本的に工務店が受け取ります。

今回の流れの場合、取り付けまでは建材屋さん(+設備屋さん)までで終了していますが、工事監督しているのは工務店です。

そのため最終的には、仕入れ価格(卸売り価格)+商社の利益分+取り付け代金+工務店の工事監督費用が内訳です。

お客さんにキッチンが届くまでにはずいぶんと長いのです。

キッチン選びで気を付けること

先ほどの流れの中で、お客様が住宅設備を安く手に入れるためには、

まず、製造メーカー → 建材屋さん(+設備屋さん)の段階でどれだけ建材屋さんがメーカーから安く仕入れているかどうかがポイントです。

TOTOにある型番のトイレを100個仕入れる建材屋さんと1000個仕入れる建材屋さんがあった場合、1000個仕入れる建材屋さんのほうが安く仕入れていることが多いです。

多く買ってくれるならちょっとまけますというのは、よくある話ですね。

しかし、こればっかりはお客さんの力でどうにかなる話ではないです。

そのため、お客さんが気を付けるべきことは次の工程です。

建材屋さん(+設備屋さん) → 工務店などの工事会社

この部分で工務店がどれだけ安く建材屋さん仕入れているかが住宅設備にかかる費用が決定する大きなポイントです。

工務店は基本的には数社くらいの建材屋さんと取引をしており、希望の設備を一番安く入れてくれる会社をその都度選んでいます。

そこで、建材屋さんの中には、○○のキッチンなら安く入れることができるという得意な商品を持っている場合が多いです。

その商品を大量に仕入れているからでしょう。

そういった安く入れることができる商品を工務店におすすめしているため、この中から選んでくれたら安いですというパンフレットが存在します。

もし、住宅会社からそのようなそのようなパンフレットをもらったら、その中から選ぶことがポイントです。

もちろん、自分は絶対にこのキッチンを付けたい!という希望があるなら、それを頼むことも重要ですが、

こだわりがないなら、おすすめの中から選ぶのが一番です。

気を付けてほしいのは、設計事務所に設計を依頼したときです。

設計施工の工務店に依頼した場合は、施工が安い商品を見繕ってくれますが、

設計事務所の場合は工事工程は工務店に引き継ぐため、どのキッチンが安く工務店に入るのか言ってくれない(もしかしたら知らない)事務所もあるので、

好きなキッチンを選んでおいてくださいと言われ、出数の少ないキッチンを選んでしまった場合、

高くつく可能性があるということです。

Point
設備を安くしたいと思っているなら、自分で定価を見ながら安そうなものを探すのではなく、その旨を設計側にきちんと伝えて安いものを教えてもらうこと。

安い安いとこれまで言ってきましたが、パナソニックなどの大手のキッチンは安くてもかっこいいものが多いです。

ただし、選ぶときは設計者のおすすめを聞くだけでなく、実際にショールームに行って、見て触って確かめてから決定するのがおすすめです。

家づくりにはこだわりを入れれば入れるほど金額がかさんでいくので、

諦めるところは諦めて、こだわるところはこだわるというメリハリを付けると、

お財布に優しい家づくりができます。